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ゼノアックが挑む新規事業、
オンラインストア「チクタグ」開発ストーリー

畜産業界の明るい未来のために。
生産者と消費者が「出会う場所」を作っていきたい

Cross Talk

2024年3月、日本全薬工業株式会社(以下、ゼノアック)は全国の畜産生産者から畜産品が購入できるオンラインストア「チクタグ」をリリース。取り扱うのは生産者のストーリーを感じられる和牛・国産F1牛、銘柄豚、乳製品など、ゼノアックがセレクトした商品たちです。長く動物用医薬品の開発・製造・輸入・販売を行ってきたゼノアックは、なぜ、今、これまでの事業とは全く異なる新規事業「チクタグ」をスタートさせたのでしょうか。その目的や立ち上げへの思いについて、「チクタグ」に携わる3名の社員に聞きました。

事業開発本部 新規事業開発推進室
エキスパート

畑中 孝亮 チクタグプロジェクト リーダー

飲食業を経て、起業。事業の立ち上げを手掛けた後、別企業にて販売促進やマーケティングの経験を積み、2023年に入社。新規事業開発推進室にて、チクタグプロジェクトのリーダーとして企画構築、実行を担う。

事業開発本部 新規事業開発推進室
チーフエキスパート

松﨑 慶孝 チクタグプロジェクト マネージャー

広告代理店にてデジタルマーケティングに携わった後、別企業にて企業プロモーションや販売促進の経験を積み、2023年入社。チクタグプロジェクトを含め、部署が推進する各新規事業のマネジメントを担う。

経営企画部
シニアコーポレートブランドマネージャー

小川 雅史

2001年入社、商品開発、営業に携わった後、事業開発部にて各種新規事業の推進を手掛け、チクタグプロジェクトの立ち上げに携わる。2022年から経営企画部にてコーポレートブランディングを担当。

ゼノアックだからこそできる畜産生産者とのタッグで、
「畜産の魅力が伝わるECサイト」を

Q. まずは、「チクタグ」が、どのようなサービスなのか教えてください。

畑中
簡単に説明すると、「消費者の皆さんが、直接、生産者さんから畜産品を購入できるオンラインストア」です。サイトには厳選された全国の畜産生産者さんの商品が掲載されていて、注文すれば自宅に届き、食べることができます。ユーザーとして想定しているのは個人および飲食店経営者などで、幅広い方に使っていただける仕組みになっています。
松﨑
サービス内容だけを聞くと、「よくあるECサイトなのでは?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。私たちの目的は、「畜産生産者と消費者の距離を近づけること」。より深く生産者や畜産品のことを知ってもらえるよう、「どのような環境、飼料で牛や豚を育てているか」はもちろん、商品の生産方法やこだわり、生産者の思いなど、きめ細かな情報をサイト内で紹介しています。
畑中
すべての情報は、生産現場に足を運んで取材をして得たものです。消費者の皆さんにはじっくり読んで、「本当に食べたいと思えるもの」を選んでいただいたり、生産者さんや、畜産業のことをより深く知っていただいたりしてほしいと考えています。サイトには「商品から探す」の他に「生産者から探す」というメニューもあり、「お気に入りの生産者さんとの出会い」を手助けできる仕組みになっています。
小川
取り扱う商品の中には、牛肉や豚肉、乳製品のほかに、「食育・畜産体験」などもあります。そのことからも「畜産生産者と消費者の距離を近づける」という「チクタグ」のコンセプトを感じていただけるのではないでしょうか。

Q. ちなみに、「チクタグ」というサービス名にはどんな思いが込められているのですか?

畑中
「畜産生産者とタッグを組む」という意味を込めて、「チクタグ」です。他の案も考えてはみたのですが、私たちが目指すことが一番分かりやすく表現されているので「チクタグ」に決定しました。シンプルなので、ぜひ、たくさんの人に覚えていただきたいですね。

生産者の持つ販路拡大の悩みを解決し、
それぞれのオリジナリティを出していけるプラットフォームに

Q. そもそもゼノアックは、動物用医薬品の開発・製造・輸入・販売を行う企業です。今回、本筋の事業とは全く異なる領域の新規事業、「チクタグ」をスタートさせたのは、なぜなのでしょうか?

小川
端的に言えば「日本の畜産業の魅力を広く伝えることが、ゼノアックの使命だと考えているから」です。ゼノアックは70年以上、動物用医薬品の事業を通して畜産生産者さんとつながり、企業理念である「動物の価値を高め、つながる全ての人々の幸福に貢献すること」を目指してきました。そして、これを実現するためには「何をするべきか」を常に考えてきたのです。その答えのひとつが「畜産業界の魅力を発信し、活性化すること」でした。
松﨑
以前からゼノアックが運営している、「日本の畜産を応援するWEBマガジン『どっこいしょニッポン』」なども、その考えのもとで生まれた活動ですね。これらを経て、ゼノアックは「もっとできることはないか」と考えるようになり、その結果、畜産生産者と消費者の新たな接点を作る「チクタグ」が誕生しました。
畑中
そもそも畜産業界は、生産品の販路がある程度決まっていている業界です。そのなかで各生産者さんが自らの生産品にオリジナリティを出すことや、新たな販路を個人の力で開拓することはなかなか難しい。多くの生産者さんがそこを課題としているからこそ、これを解決するためにゼノアックが商品を販売できるプラットフォーム、「チクタグ」を作ったというわけです。
小川
ゼノアックは長年、動物用医薬品を通して生産者さんと直接つながり、共に成長してきました。だからこそ、「畜産業界のために何かしたい」という気持ちを強く持っています。また一方で、企業としてこれからも持続的に成長していくために、これまでとは違う新たな挑戦をしなくてはならないとも考えていました。こうした思いが重なり、「チクタグ」の事業化に踏み切ったのです。

Q. 「チクタグ」は畜産生産者、消費者にどのような価値を提供できるのでしょうか?

畑中
生産者さんにとっては、「自分たちのこだわりが伝わる」「商品のブランド化を図ることができる」「6次化実現、販路拡大が叶う」などのメリットがあります。また、消費者の皆さんへは「さまざまな畜産生産者と出会うことができる」「納得して購入できる」「畜産への興味UP」「お気に入りの生産者、契約農家などが見つかる」ことで価値を感じていただけるはずです。

Q.その中で、ゼノアックだからこそ実現できる価値はありますか?

松﨑
ゼノアックと他のECサイト運営企業との大きな違いは、すでに動物用医薬品事業において全国の畜産生産者さんとの深いつながりを持っていることです。つまり全国のすばらしい活動をしている生産者さんの情報網を持ち、直接話をして参画をあおぐことができる。だからこそ、他にはないクオリティの商品、および高い技術を持つ生産者ラインナップが実現できています。
畑中
リリースに向けて、たくさんの畜産生産者さんに会いに行ったのですが、「ゼノアックさんなら、一緒にやってみてもいいよ」と言ってくださることも多く、感動しましたね。信頼関係があってこそいただける言葉ですから。

生産者の手間は最小限に。
新しい一歩を踏み出すサポートをしたい

Q.「ECサイトでの個別販売は手間がかかる」というイメージがありますが、 初めてECサイトを利用する生産者でも「チクタグ」は簡単に利用できますか?

畑中
「生産者の方々の負担にならない仕組みづくり」には最も力を注いだので、想像よりもはるかに簡単に利用していただけるはずです。出品が決まった際に生産者さんが担うのは「商品を揃えること」と「取材にお応え頂くこと」のみ。これで「チクタグ」への情報掲載が完了します。また注文が入った際には、「商品の出荷用意」と「伝票(送り状、納品書など)の発行」をしていただければ、自動的に配送業者が集荷に伺い、商品を消費者のもとに発送、入金も管理できる仕組みになっています。
松﨑
一般的にECサイトを利用することのハードルになりがちなのは、受注管理や決済・入金管理です。その点については「チクタグ」がシステム内でしっかり管理しているので安心して利用いただきたいですね。また、畜産業界と共に歩んできたゼノアックだからこそ、生産者さんがどのように日々仕事をしているかも知っています。毎日パソコンをチェックすることは難しいというような背景を理解しているからこそ、受注通知はスマートフォンで手軽に確認できるようにしました。
小川
この仕組みは、これからも生産者の負担軽減を目指してアップデートしていく予定です。それによって「挑戦したかったけれど、踏み切れなかった」という生産者さんの後押しができたらうれしいですね。
畑中
中小規模の生産者さんは、「EC販売をやってみたいけど人手が足りない」という課題を抱えていらっしゃる方も多いものです。また「どうやっていいか分からない」「挑戦したことはあるが上手くいかなかった」など、「チクタグ」はそんな悩みを持つ方々の力になっていきたいと考えています。

「チクタグ」から、畜産業界を元気に。
新たな挑戦の中で、自らも変化していく

Q. いよいよスタートした「チクタグ」。今後はどう成長させていきたいですか?

畑中
テストスタート段階から、生産者さんや消費者の皆さんには好評をいただいています。ここからは「さらに便利に、魅力的なサイトにしていくこと」を目指したいですね。例えば、先ほどもお話しした生産者の負担減を目的とした仕組みのアップデートに加え、掲載商品、生産者を増やしていくことなどにも力を注ぎます。手はじめに、先述の「どっこいしょニッポン」とも連携し、掲載中の生産者さんへの声掛けなどを積極的に実施するなど、魅力的な生産者さんをより多く「チクタグ」でも紹介していければと考えています。また食育・畜産体験の提供数もさらに増やしていきたいですね。
松﨑
加えて、中長期的な目標として「商品のブランド化」や「魅力的な商品づくり」へのサポートも手掛けていければと考えています。ゼノアックは生産者さんと直接つながっている企業。深く生産品の魅力を知っているからこそ、こうした支援も行うことができるはずです。「チクタグ」によって販路を増やすだけでなく、商品の価値を見出し、生産者さんと一緒に魅力的な商品に育てていけるような仕組み、体制づくりを今後は行っていきたいですね。

Q. 「チクタグ」が実現しようとしてる未来について教えてください。

松﨑
目指すのは、「畜産生産者と消費者の距離が近くなる」こと。例えば今は牛肉や豚肉を選ぶときに、ほとんどの人が「誰が生産しているのか」は気にしていません。「日本の畜産物と海外の畜産物がどう違っているか」や、同じ和牛でも「畜産生産者の生産方法の違い」などに思いを寄せることはあまりないと思います。しかし、「チクタグ」を通して畜産についてもっと知り、興味を持っていただくことで、「この生産方法をしているものを選ぼう」という新しいモノサシが消費者の皆さんの中にできる。その結果、日本の畜産物のすばらしさがもっともっと周知されていけばいいなと思っています。
畑中
消費者の皆さんが畜産生産者さんに愛着を持っていただけるような世界を作っていきたいですね。まずはECサイト「チクタグ」がスタートしますが、この活動は「チクタグプロジェクト」として、今後もどんどん広がっていく予定です。このプロジェクトによって畜産生産者さんが元気になり、日本の畜産業界が盛り上がる未来づくりに貢献できれば、こんなにうれしいことはありません。

Q. 最後に、「チクタグ」という新しい挑戦に、ゼノアックがどう取り組んでいこうとしているか教えてください。

小川
「チクタグ」などの新規事業を手掛けることで、ゼノアックは「新たな顔を持つ企業」に変わっていこうとしています。医薬品の面からだけでなく、別の面からも畜産業界に貢献できる企業になる。それは畜産業界の発展のためにも、ゼノアックという企業の発展のためにも重要な変化になるはずです。
とはいえ、変化することは簡単なことではありません。例えば、私たち医薬品を扱う企業にとって「製品を安定的に供給すること」は何より大切で、それを叶えるために正しいプロセスをしっかりと踏んでいくことが常に重要視されてきました。その姿勢が企業文化にもつながっているわけですが、新規事業の推進にはルールに捉われないことやスピードも必要。つまり「いままでの常識を変えること」が不可欠なのです。
今、その変化の波を、外部からゼノアックに入社して「チクタグ」を牽引している畑中さんや松﨑さんが起こしてくれている、と感じています。企業が変化するとともに、私たち社員も変化していかなくてはならない。皆さんには、ぜひ、その変化を楽しみにしていていただきたいと思います。

CHIKUTAG

新規事業「チクタグ」で畜産を知り、
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